国民民主党の玉木雄一郎代表は、自身のYouTubeチャンネル【たまきチャンネル】を公開し、103万円の壁の引き上げ 結局どうなった?について解説しましたので、その詳細をまとめました。
もくじ
予算案の衆議院通過と103万円の壁の引き上げ問題
予算案の衆議院通過
予算案が衆議院を通過しました。しかし、103万円の壁の引き上げを178万円にするという目標は達成できず、そのまま衆議院を通過してしまった。
103万円の壁の仕組み
現在の課税制度を整理すると、収入に応じて控除が適用され、課税所得が決定されます。控除には基礎控除や給与所得控除があり、日本の税制度では所得が増えるほど税率が上がる仕組みになっています。
- 基礎控除:すべての人に適用される48万円の控除(ただし、高所得者は段階的に減額)。
- 給与所得控除:最低55万円から始まり、所得が上がるにつれて増加し、190万円で上限。
これらを合計した103万円が、これまでの「税金がかからない収入の壁」とされてきました。
103万円の壁の引き上げの経緯
昨年の年末に与党が103万円の壁を20万円引き上げて123万円にするという案を決定。
- 基礎控除の引き上げ:48万円から58万円へ増額。
- 給与所得控除の引き上げ:最低基準部分を10万円増額(ただし、高所得者には影響なし)。
この結果、187.5万円以下の所得者にとって最大10万円の控除増加が適用されました。これにより、政府の減税額は約6,000億円(0.6兆円)となりました。これでは話にならない。
追加の「新与党案」の問題点
この減税額では不十分と考えられ、公明党主導で「新与党案」と呼ばれる追加の控除案が提示されました。
新たな壁の設定
- 200万円以下:控除額をさらに37万円増額
- 200万~475万円:控除額を30万円増額
- 475万~665万円:控除額を10万円増額
- 665万~850万円:控除額を5万円増額
問題点
- 追加の壁が多数発生し、制度が複雑化
- 控除の増額幅が不十分
- 200万~475万円の区間の控除増額は2年間の時限措置であり、恒久的なものではない
- 「基礎控除が160万円になる」と主張する向きもあるが、実際に160万円の控除を満額受けられる人は 全体の5%未満
今後の課題と展望
政府の追加減税策により、最終的な減税額は約1.2兆円となったが、目標としていた178万円の壁の引き上げとは大きく異なり、不十分な内容となった。
- 本来目指すべきは、シンプルに基礎控除を75万円に引き上げることであり、現在の制度は複雑すぎる。
- 今回の結果を受け、さらなる制度改革に向けて努力を続ける必要がある。
まとめ
今回の税制改革は、部分的な進展があったものの、当初の目標には届かず、引き続き改善の余地が大きい。今後の参議院選挙も重要となるため、引き続き注目が必要である。
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